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窓の外には星をちりばめたような景色が広がっていた。
クリスマス・イヴで街には楽しそうな若者があふれているというのに、このお店を含むフロア一帯はゆったりとした大人の空気が流れている。
都心にそびえるビルの五十一階。限られた人にだけ開かれた会員制クラブは、ドレスコードが義務付けられていた。
「真珠ちゃん?」
呼びかけられてはっとする。正面に目を戻すと、グレンチェックのスーツに身を包んだ飛鳥井さんが丸い目をじっと私に注いでいる。
「あ、すみません」
「どうしたの、ぼうっとして。あ、もしかしてフレンチの方がよかった?」
「いえ、全然そんなことないです」

