「真珠――」 耳もとで愛おしそうに名前を呼ばれ、キスをされるだけで体中の力が抜けてしまう。 「鷹野、社長」 「迅だ」 私の間違いを正すように、彼は真正面から私を見つめる。吸い込まれそうなほど澄んだ漆黒の瞳に、私は魔法をかけられる。 「迅……」 口に出した瞬間、長いあいだ閉じこめていた想いが溢れでて、また涙がこぼれた。