政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています


「どうして、今になって」

 私の前に現れたりするの――⁉

 言葉の代わりに嗚咽を漏らし、私は肩を震わせた。

 今日は十二月三週目の金曜日。週明けには飛鳥井さんと食事をして、年が明ければ私は彼の妻になる。

 二十五歳のタイムリミットはとっくに過ぎているのに。

「どうして――」

 言い終わる前に顎を持ち上げられ、そのまま唇が重なった。ふわりと触れたぬくもりに、一瞬体がこわばる。

「やめてっ」

 振り払うように顔を逸らすと、肩を掴まれて壁に押しつけられた。

 漆黒の瞳に私を映し、彼は真剣な顔で私を見下ろしている。絡めとられそうで慌てて目を逸らしたのに、強引に振り向かされてまたしても唇を奪われた。