棚のリングケースに置かれた真珠は、いつも私が左手首に飾っていたブレスレットの真珠と色も形も大きさも同じ、サウスシーパールのようだった。
そうするのが当然だというように、社長はリングケースを私に差し出す。
「ほら、真珠(マミ)。改めて二十五歳、おめでとう。もう誕生日っていうよりクリスマスプレゼントだけどな」
受け取ることも、声を出すこともできず、私はただ鷹野社長を見上げた。
ネクタイを取ったシャツ姿で、びしょびしょに濡れた髪を無造作に流して、肩にタオルをかけている彼を。
鷹野社長の笑った顔が、十年前のモッズコートの彼に、ぴたりと重なる。
「あなたは……あの日、ニューヨークで……私に自由を見せてくれた、あの人なの……?」

