スーツの上着を脱ぎ、シャツ姿になっている彼は、雰囲気がいつもとまったく異なっていた。 身長も、顔だちも、着ているものだって普段と変わらないのに、ずいぶん若く見える。 心臓が、壊れたのかと思うくらい激しく高鳴った。 いつも後ろに流してあった社長の前髪は、雨に濡れたせいですべて下りている。湿ったそれをぐしゃっと掻き上げる彼を、信じられない思いで見つめた。 「どうしてあなたが……」 「ん? どうかしたか」 怪訝そうに私を見てから、彼は「とにかく上がれ」と私をリビングに通した。