政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています


「申し訳ありません、華美でしたら外します」

 私が留め金具に手をかけると、今度はその手を掴まれた。

「いや、かまわない」

 力強い手のひらの感触に、鼓動が早くなる。

 やたらとスキンシップの多い人だと思った。じっと注がれる視線に耐えきれず、私は目を逸らす。

「あの、それで、私になんのご用でしょうか」

 口にした途端、大きな手がすっと離れた。

 体のこわばりが解けて、気づかれないように息をつく。すると彼は光沢を放つダークブラウンのデスクに腰を預け、挑むように私を見た。

「君に、今度発足するプロジェクトのリーダーをやってもらおうと思っている」