百八十センチ以上ありそうな長身に長い脚、小顔なうえにその造作まで整っているから、街を歩けばやっぱりモデルや俳優に間違われるにちがいない。
みどり先輩の恋敵になる人は多そうだ。そんなことを考えていたら、
「真珠」
いきなり左手を取られた。驚いている私を見おろして、社長はわずかに眉根を寄せる。怒っているというよりは苦しそうな表情をしていて、私は呆気に取られた。
「あの……?」
彼の目が私の手首に注がれる。手を取られた拍子に、ブラウスの袖から腕時計といっしょにブレスレットがのぞいていた。小ぶりのサウスシーホワイトパールをあしらった、ゴールドのブレスレットだ。
「会社につけてきているのか」
見咎められ、とっさに腕を引く。

