金縛りにあったみたいに動けなかった。いつも鋭く光っている鷹野社長の瞳は、いつでも私を飲みこんで、すべての動きを奪う。
社長室では口説かないって、言ってたくせに――
そう思っても、口にはできなかった。
「真珠……」
普段とは違うつらそうな目で見つめられたら、あらがえない。
唇が重なる、その寸前に、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「失礼します、社長。そろそろ」
あと五センチという距離で、扉を開けた戸上さんと目が合った。
息を止めたまま、心臓がばくんとはじける。
戸上さんの表情は変わらなった。社長室に似つかわしくない光景を目にしているにもかかわらず、彼はいつものように室内に入ってくると、淡々と告げる。

