突然、大きな手が頬に触れた。はっとした瞬間、ゴシゴシとこすられてぎょっとした。 「な、なにを」 拒もうと振り上げた手はあっというまにとらえられ、完全に動きを封じられる。 「あいつ……くそ」 そうつぶやくと、社長はこすったばかりの私の頬に唇をつけた。 ふわりと触れた感触で、私は気づく。その場所は、さっき飛鳥井さんからキスをされたところだ。 驚いている私を深い黒真珠の瞳に映し、社長は苦し気にうめいた。 「真珠」 私の名前を呼びながら、ゆっくり顔を寄せてくる。