力強い腕にがっちりと支えられて、身動きがとれない。椅子に座ったままの彼と抱き合う格好で、私は固まった。
広い胸に両腕をついて密着状態は免れているけれど、それでも間近に体温を感じる。すぐそばに、社長の息遣いが聞こえる。
ぎゅっと抱きしめられて、無意識に呼吸を止めていた。
「あ、の」
ふと彼の力が緩んで解放されたと思ったら、今度は体を持ち上げられ、彼の膝に横向きに座らされた。あまりにも突然で反応が遅れる。
「き、きゃあっ、ちょっと!」
「暴れるな」
押さえ込むように私の肩を掴む社長は、眉と目の間を狭くして、鋭い表情をいっそう険しく歪めていた。
怒ってる……? というようりも、なんだか。

