この人は、私が飛鳥井さんの婚約者だと知っていて、さんざんちょっかいを出してきていたのだろうか。それって……。
さまざまな疑念が浮かび上がってくる。と、ふいに腰を引き寄せられ、飛鳥井さんの腕におさまった。
「え……」
心臓が妙な音を立てる。鷹野社長の目が、ぎろりと私たちを見上げている。
飛鳥井さんの長い指に顎を持ち上げられ、振り向かされたと思ったら、整った顔が目の前に迫っていた。
体が固まる。
ふっと笑みを漏らした彼は、私の唇を通り過ぎ、ちゅっと音を立てて頬にキスをした。そのままさらりと髪をなで、挑むようにエグゼクティブデスクを見やる。
「真珠ちゃんは俺の婚約者なんだから、おかしなことをしないでくれよ、ジン」

