余裕の表情を浮かべている彼が、ゆっくり顔を下ろしてくる。私はあわてて叫んだ。 「体格差を考えてください!」 「ん?」 不思議そうに私を見下ろす彼に、まっすぐ言い放つ。 「力でねじ伏せるのは、卑怯です」 じっと私を見ていた彼が、ふいに手の力を緩めた。 「……確かに」 腕を解放され、私はそそくさと後ろに逃げる。 「悪い、つい興奮して」 あけすけな言い方に、私はますます距離を取った。心臓の音がうるさくて、胸がしびれかけている。