「もちろん、仕事の話もする。上映まであと一時間あるからな」
さっきのスタッフが運んできたシャンパンのグラスをセンターテーブルに滑らせて、鷹野社長は不敵に微笑む。
「気晴らしに付き合ってくれって、前に言っただろ」
「でも……」
ふたりで映画だなんて、デートみたいじゃない。
私は社長に背中を向けた。こんな薄暗い部屋で、彼の視線をまともに受け止められるわけがない。
私は、わきまえなければならない立場なのに。
「あの、困ります。こういうのは」
「そう言われてもな。会社じゃ話す時間が取れないんだから仕方ない」

