フォローしてくれる先輩に、私はあわてて笑顔をつくった。沈んだ顔を見せて、周りの人に心配をかけてはいけない。 「いえ、すみません。いろいろと参考になりました。ありがとうございます」 ぺこりと頭を下げて、私はエレベーターホールに引き返した。 社長室に戻ると、がらんとした気配が漂った。人が多いフロアから戻ってきたせいで、いつもよりも余計に静けさを覚える。 二面をガラスに覆われた社長室からは、夜のとばりがおりた景色がよく見えた。通りの向こうに建つビル群には、まだぽつぽつ明かりが灯っている。