考えていると、席に座ったままのみどり先輩に袖を引っ張られた。
「それより、どうなの、鷹野社長」
「えっ」
急に言われて、心臓が跳ねた。思い出されたのは、暗い車内でまっすぐ視線を注いでくる精悍な顔だ。
「どうと、言われましても……」
「だって、三週間前に社長室に移ってからずっとふたりきりなんでしょ? まさか、あんなことやそんなことなんてしてないでしょうね」
「あんなことや、そんなこと?」
「キスとか、ハグとか」
ぼっと顔が熱くなる。
「し、してません! だいたい、社長は忙しくてあまりいらっしゃらないので、やりとりはほとんど戸上さんを通してですし」

