「そりゃあねえ、早く帰れって言われても、すぐには切り替えられないわよね」
みどり先輩がフロアを見回して、部長席に目を留めた。
「やっぱり、みんなが残ってると先に帰りにくいじゃない。上司が残ってると特に」
そう言うみどり先輩はわりと周りの目を気にせずに、やれ合コンだ、習い事だ、とそそくさと帰るイメージがあったけれど、本人としては気にしていたらしい。
「無駄な会議を減らしたり、業務の効率化を図ったりするのはいいけど、結局あいた時間で次の仕事をしちゃうんだよな」
安西先輩が積み上げられたファイルを見ながら苦笑した。
「そうですか……」
それなら、やっぱり強制的に社員を帰らせるノー残業デーを導入するべきだろうか。

