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定時をまわってからエレベーターで二十階のフロアに降りると、懐かしい空気を感じた。
マーケティングやデジタル推進事業を担当する営業本部の島を横切り、建設企画や開発企画を行う開発本部の島にたどり着く。
「あ、桜井ちゃん!」
私に気づいたみどり先輩が、整った顔をぱっとほころばせた。
「なんだか、久しぶりじゃない! 元気にしてる?」
「はい、なんとか」
冗談交じりに答えると、彼女のとなりの安西先輩も顔を上げた。眉の生い茂った濃い顔立ちの彼は、秋が深まっていても日に焼けている。
「どう? WLB推進室の進行状況は」
「そうですね……」

