「本当に、お忙しそうですね」
「デートもできないくらいにな」
片方の眉を上げた彼に突然笑いかけられ、頬が熱くなる。
「なあ真珠。俺の恋人になってくれ」
鷹野社長の落ち着いた声に、胸が高鳴る。手が震えそうになって私は急いで椀を置いた。
「……どうして、私なんですか?」
どくどくと響く胸を右手で押さえながら、きょとんとしている顔を見つめる。
「社長なら、どんな女性でも選び放題でしょう?」
「俺はお前がいいんだよ」
間髪をいれずに返され、言葉を失った。かっと耳が燃えるのを感じながら、あわてて目を伏せる。

