「桜井さんの机はあちらです」
そう言ってラック付きのテーブルを見た後、腕に抱えていた書類束を私に差し出した。
「こちらは先日社長が実践されたスタンディング会議の結果報告書と幹部へのアンケート、こちらは講習会の講師を依頼した広川氏のスケジュールです」
はっとして、私は顔を上げた。以前に提案した企画書の内容を、社長と戸上さんで進めてくれていたのだ。
「ありがとうございます」
書類を受け取ると、口数の少ない有能な社長秘書は、じっと私に視線を注いだ。
黒縁メガネの奥で、私の価値を見定めるように瞳を凝らしてから、静かに口を開く。

