大勢の人たちが背の高い鉄の柵にしがみつくようにして景色を眺めていて、その向こうにはすっかり暗くなった空ときらめく街並みが広がっている。
「……っ」
あまりのうつくしさに、声が出なかった。
風にあおられ、顔に張りつく髪を左手で押さえる。マンハッタンのビル群が、地球の稜線を縁取るようにオレンジ色に輝いている。
「きれい……」
胸が痺れたみたいに、その場を動けなかった。
こわいくらい、うつくしい。
なにかが足元からこみ上げてくる気配がして、私はとなりに立つ彼の手を、自分から掴んだ。
ひやりとしていた彼の手は、一瞬驚いたように固まり、やがて私の指をゆっくり覆った。

