すこしずつ近づいてくるそれを眺めながら、となりに立つ彼は、いたずらっ子のようにくしゃっと表情をくずした。
「自由、見たかったんでしょ?」
心臓が壊れたと思った。
せわしなく響きながら、胸をぎゅうぎゅう締めつける。
勢いのままパーティー会場を抜け出し、ひとりでどこかに行きたいと思ったのにどこにも行けなくて、私はセントラル・パークの真ん中で途方にくれていた。
結局、なにもできないのだと、あきらめていた。
伯父に導かれることを嫌っているくせに、その伯父が敷いたレールがないと進むことすらできない。
私は、ひとりではどこにも行けない。
そう思って、あきらめていたのに。
――今、私は自由の女神の足元に立っている。

