政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています


 すこしずつ近づいてくるそれを眺めながら、となりに立つ彼は、いたずらっ子のようにくしゃっと表情をくずした。

「自由、見たかったんでしょ?」

 心臓が壊れたと思った。

 せわしなく響きながら、胸をぎゅうぎゅう締めつける。

 勢いのままパーティー会場を抜け出し、ひとりでどこかに行きたいと思ったのにどこにも行けなくて、私はセントラル・パークの真ん中で途方にくれていた。

 結局、なにもできないのだと、あきらめていた。

 伯父に導かれることを嫌っているくせに、その伯父が敷いたレールがないと進むことすらできない。

 私は、ひとりではどこにも行けない。

 そう思って、あきらめていたのに。

 ――今、私は自由の女神の足元に立っている。