途中の駅で乗り換えてまた三十分ほど電車に揺られる。駅の階段を上がって外に出ると、傾いた陽に染められて、空の青が薄くなっていた。
「ちょっと急ごう」
そう言って早足になる彼は、ケンブリッジにある大学に通っている留学生で、今日は知人に会うためにニューヨークまで来ていたらしい。
思っていたよりも年上だったことに戸惑いながら通りを行くと、レンガ造りの城壁跡みたいな建物が見えてきた。
観光客の姿がちらほら見えるその場所まで来ると、彼は時計を気にしながら中に入っていく。
レンガの壁の内側は円形の広場になっていて、おもちゃみたいなかわいらしい円錐形の小屋が建っていた。『TICKETS』と書かれた看板を見つけて不思議に思う。
「チケット?」
なんの?

