はじめてのメトロは、遊園地のアトラクションに乗ったときみたいに胸がわくわくした。
券売機で買ったメトロカードを渡され、それを改札の機械に通すときはやたらと緊張した。でもそこがピークだった。
太陽光が届かない地下はなんとなく息苦しくて、地響きのような電車の音が不安を掻き立てる。
線路を行き来する鉄の箱の中には外国人がたくさん乗っていて、日本人はめずらしいのか、じろじろと見られているような気がした。
なんだか急に怖くなって、となりに立つ彼の腕を掴む。
きょとんとした顔で私を見下ろした彼は、大丈夫だよと言うように、頭をぽんとなでてくれた。

