見えない心、見えない音

ー3年後ー

「は、陽稀くん?大丈夫?」

「お、おう……」

「パパもママも、優しいから緊張しなくてもいいのに……」

「そ、そーゆー問題じゃないだろ~」

俺達は無事、高校を卒業出来た。

仕事にも就くことが出来て、今から楓花のご両親に挨拶をしに行くところだ。

「あ~……胃が痛くなってきた……」

俺って緊張すると胃が痛くなるみたいだ。

「も~、しょうがないな~」

楓花がそう言うと、俺の頬に手を添えてーー

ーーチュッ

「……っ!」

自らキスをした。