“そろそろだね……”

楓花の顔に、緊張が走った。

「だな……」

俺も自然に緊張を含む声に。

「……」

「私は!なにがあっても!陽稀くんだけだから!陽稀くんが!世界で1番!大好きだから!」

「……っ!ありがとう、楓花。俺も、大好きだよ」

そう言うと、楓花は満面の笑みを向けた。

「楓花、もう1回大好きって言って?」

これが、楓花の声を聴く最後かもしれないから。

「なっ……!分かった!陽稀くん、大好きだよ!」

「フッ……」

ーーチュッ




そして、手術は始まった。