音のある世界は、正直分かんない。

だけど、音のない世界は怖い。

意外と、音のある世界も怖いかもしれない。

だから、一歩を踏み出せなかった。

全く音が聴こえなくなるのが怖くて、音が聴こえても怖いと思って、このままでいいって思ってた。

だけど俺は、逃げていたんだ。

一歩踏み出さなきゃいけなかったんだ。

それを分からせてくれたのは、楓花だ。

確率は100%じゃない。

だけど俺は、楓花の本当の声を聴きたい。

だから俺は、手術をすることにした。