楓花は震えていて、震えて涙声でそう言った。

「分かんないよっ……音のない世界はっ……だけど分かってないのは陽稀くんも同じだよ!!!」

「……っ!え……?」

「音のある世界の楽しさを!!!分かってない!!!」

「……!!!」

「音のある世界は!!!自然と聴こえてくる!!!聴きたくなる!!!それを分かってない!!!」

「んなことっ……分かってるよ!!!」

「分かってない!!!このままでいいって言って!!!音のある世界を否定してるじゃない!!!なんで一歩を踏み出さないのよ!!!」

一歩を、踏み出す……?