「……っ!」

楓花が突き飛ばされた。

俺は楓花を抱えて、一緒に倒れ込んだ。

「いたた……」

思ったより痛かったわ……

「……っ!」

楓花を見ると、手話で“ありがとう”と言っていた。

楓花は、手話を上達していた。

今まで話せなかったのって……

「今まで話せなかったのって……」

“手話を勉強していたの。いちいちスマホ見るのもあれだし、顔逸らされるのもやだったから……”

少し頬を赤くして言っていた。