「楓花!」

俺が声を上げると、楓花はビックリしたような顔をしていた。

「大丈夫か?」

『はっ……』

楓花は涙を流していた。

楓花が見つめていたところに目を移すと、女子グループと男子数人が立っていた。

「楓花、なにもされてないよなっ?」

自然と声が震える。

微かに頷いた楓花を見て、俺は安心した。

それと同時に、怒りが込み上げてきた。

目立つ行為はしたくなかったけど、楓花がこんな目に遭ってるんだから……