「……っ!ふっ……」

〈陽稀くん?〉

「か、帰ろ……」

ーーギュッ

「え、ちょ!!!」

俺は楓花ちゃんの腕を掴んで歩き出した。

ちゃんと聴こえたから、それぐらい驚いたんだろう。

「陽稀くん!!?」

「黙って楓花ちゃん」

「……っ!」

アイツに会ったら、アイツに気づかれたら、またなにかされる。

高校中にバレる。

それだけはやだ。