ーーサラッ

「……っ!」

俺は楓花ちゃんの髪を上げた。

やっぱり、似合う。

『あ……く……』

「え?」

なにか聴こえたけど、全部は聴き取れなかった。

〈全然怖くない〉

「怖くない……?」

俺が聞き返すと、頷いた楓花ちゃん。

〈私、ちょっといい顔してるからって、調子のらないで!って言われたことあるの……それから、髪で顔を隠すようになった……〉

「……っ!」