『はる……ん……』

「今は、前よりも聴こえずらくなった……俺ね……死のうと思ったことあるよ……」

「……っ!」

「何回も、何十回も……死ぬことなんて怖くない、そう思っていたけど……怖かった……それに……母さんに宝物だって言ってくれたから……生きようって思えたんだ」

生きて、母さんを守りたいって。

楓花ちゃんを見ると、涙を流していた。

「え、楓花ちゃん!?」

涙を拭いながら、ノートになにか書いていた。

【陽稀くんのお話に感動しちゃって……私も、死にたいって思ってたから……】

「……っ!」