『はる……ん……』

「ふっ……ごめん、なんか……」

涙を拭って楓花ちゃんを見ると、心配そうな顔をして首を振った。

「俺、生まれつきの難聴でさ……学校にも行ってたんだけど、生まれてこなければよかったのにって言われたんだ……」

「……っ!」

「だから、不登校気味になった……母さんは自分を犠牲にして俺に付きっきりで……申し訳ないってずっと思ってた……したら、去年心労で倒れちゃって……」

俺は、本当のことを話した。

楓花ちゃんは、黙って聞いてくれていた。

「何度も思ったよ……みんなが羨ましい、なんで俺なんだろうって……」