【お昼、一緒に食べない?】

4時間目の途中、楓花ちゃんがそう書かれた紙を渡してきた。

俺は微笑んで頷いた。

時間は昼になり、俺達は屋上にいた。

俺は目を瞑って、風の音や車が走る音など聴こうとしていた。

だけど、微かにしか聴こえなかった。

音は、見えない。

見えないから、厄介なんだ。

みんなが羨ましい。

いろんな音が聴こえて。

何度そう思ったか分からない。

そんなことを考えていると、俺の頬を涙が伝った。