男はつい先程老人から聞いた話を思い出していた
追いかけようとも考えたが引っ越してきたばかりだ
家へ急いだ
〜〜〜
雫を拭いてハリボテ小屋に入った
彼は寝ていた
口に耳を近づけて呼吸を確認する
すー
すー
今日も生きてる
体に巻いた包帯をとって体を拭く
最初は背中に現れた青い痣は腕から指先まで伸び首元にも及んでいた
痣が広がるにつれ彼は動きを失っていた
仕事ももう何ヶ月もできてない……
「…ら。」
久しぶりに彼が起きた
それはちょうど包帯を巻き終わった時だった
首から足まで白い布で隠された彼の体
声ももうあまりでない
せいぜい私の名を呼ぶくらい……
それだって耳をくちもとに近づけなければならない……
コンコン
ダンボールとベニヤの壁が叩かれる
彼の体に毛布をかけブルーシートの戸を開けた


