2人が求人票に真剣に目を通していると
ドアがノックされる音と同時に声が聞こえた
「失礼しまーす。3年B組の北川です。求人票見にきましたぁ」
やる気のない、気の抜けた声が進路指導室に響く
同じクラスの北川
優と特に接点はない
「あ、朝日奈だよね。その見てない方の求人票見せてくれない?」
優は声をかけられ、顔上げた
身長はかなり高く、細身で
行動はかなりチャラい顔も怖い
だが
こちらを見つめるその瞳は
見たことないくらい優しく
優は目を見開いた
「どうぞ、でもこっちは少し見にくいかも」
一言添えて渡す
「いちいちそんなこと教えてくれんの、優しいね朝日奈。」
小さな事にでもしっかりお礼を言える
そんな所に少し好感を持てた
