「どう…して…?好きでもないんだったら…
キスなんてしないでよ!」


知らずに頬を伝う涙


嫌いだ!
こんな奴嫌いだ!!


涙を袖でふいて立ち上がり
背中を向けて帰ろうとすると

手首を強く掴まれ
壁に押し付けられた


「いった…」


「むかつくんだよ!
今まで馨と俺は女を取り合ってた
勝負は五分五分なのに!!アイツだけが…
幸せになるのがゆるせねーんだよ!!」



驚いた
なんでそんなに悲しそうな顔してるの


でも…
そんなの屁理屈にしかならないよ!!!


「寂しい人間…」


「はぁ?」


「あんたはそうやって人を蔑んで生きてる!
だから寂しい人間っていったの!
私…あんたみたいなの大っ嫌い!!」



私はいきおいよく屋上から飛び出た


もうばらされてもいい!
馨なら分かってくれる!


たぶん…



でも…

もうアイツにはかかわりたくない!


私は教室への道のりを急いだ


―――――…★



一人残された俺は
冷たい床にねっころがった


「なんだよ…あの女」


イライラがどうもおさまらない

最悪だ

ってか俺キス拒まれたの
初めてだ


今まで

馨の彼女も何度かとったことがあった

でも

顔が似てるだけあって
俺のキスを…拒んでくる奴はいなかった


壊れない恋を求めてた


だから…俺は桃花に興味をもったし
初めて手に入れたいと思った


「まずは…先手必勝だな!」


俺は勢いよく立ち上がり屋上を飛び出た