俺には親友でありライバルの存在 刈谷 珱がいて、相嶋 珱として俺たちのところに戻って来た。珱とは最初から仲良かったわけじゃなく、むしろ友達すらなりたくないやつだった。仲良くなる前の珱はいつも男子に意地悪されて泣いていて、いつも1人だった。いじめっ子に抵抗しないから余計に意地悪されている。トイレで珱が意地悪されてる時も俺は無視をして教室に戻ったが、少しすると風華と仲の良いクラスの人が風華に珱が閉じ込められてると話して風華が助けに行って、俺も後を追ってトイレに行った。風華と抱き合ってるのをみて俺は早く教室に戻れと言って珱を睨んで教室に戻ったが、30分経っても戻ってくる気配もなかった。俺はトイレにまた行ったが、2人の姿はなかった。最後に屋上を見に行くと仲よさそうに話している風華と珱をみて俺はイライラした。そして、その日風華と大げんかをした。
風華もいじめっ子に意地悪されて、だんだんエスカレートしていった。俺は必死で助けるのを抑えて、風華が謝ってくるのを待っていたけど、珱と仲良くなる一方でモヤモヤして周りのやつに八つ当たりをした。喧嘩して2週間が経った昼休み、珱の様子が変で見ていると、教室に入ってきた風華に話しかけて、バケツの水を風華にかけた。俺は一瞬何が起きたかわからなかったが、すぐに我に返って珱に対して怒りを膨らませていた。俺は怒りを抑えながら、風華の方を見ると笑っていたが体が震えていた。風華は必死で耐えているのに珱はまたバケツの水をかけようとしているのをみて、俺はもう我慢できずに風華の前に立ち珱からバケツの水を受け止めた。1番ムカつくのは必死で珱を守ってた風華にいじめっ子に指示されたからってバケツの水を風華にかける珱の心の弱さ。俺は風華がなんと言おうと絶対に珱には風華を近づけさせないと思ったが、珱はその日から変わった。いじめっ子に意地悪されても抵抗して、泣きそうな顔しながらも泣かずに立ち向かっていった。俺はだんだんと珱の印象が変わっていって、気づいたら風華とふたりで珱の手をとり仲良くなっていた。
そして小4の時、珱と風華が付き合ってる噂が流れ、俺は焦りとモヤモヤが募り、風華をからかうようになった。
小5に上がるときに、珱は親の転勤で転校することになり、風華は大泣きして珱にしがみついて俺は寂しい気持ちもあったが、ホッとした気持ちの方が大きかった。
だが、高校に入って珱が帰って来た珱は昔と同じようにいじめられていて、仲良くなる前の珱に少し戻っていた。昔と違うといえば、イジメてるやつにやられても泣かないところと何か雰囲気が少し違かったが、風華が珱と久しぶり会えた喜びで珱に抱きついたのを見て最初は我慢してたが、一向に放す様子がないから我慢できずに俺は引き裂いた。

「お前ら…いつまで抱きついてんだ。( ̄v ̄+)」

風華『あ、珱ちゃんごめん…。苦しかった?』

珱『大丈夫だよ。風ちゃん、一層可愛くなったね。』

風華『ええぇ(//・ー・//)!!そ、そんなことないよ。』

珱『そんなことあるよ。ねぇ、友くんもそう思うよね?』

「……。珱…お前…目が相当悪くなったんだな…。風華を可愛く見えるとは…可哀想に…有名な眼科行ったほうがいいぞ(*´Д`*)」

風華『ゆ、ゆ友喜〜!!どういう意味よそれ!!あんたこそ眼科行きなさいよ!』

うるせぇよ!知ってんだよ。風華が可愛いことくらい!だから、お前と珱を邪魔したくなるんだ!
俺は心でそんなことを思いながら帰った。
珱は俺らと絡むようになって、イジメ出たやつもだんだん珱をイジメなくなった。珱もだんだん明るくなってきたが時々曇ったような表情をする。気になっていたが、遠足の1週間前に女子にモテそうな美形になっていて何より風華の理想タイプになっていてそっちに気をとられた。

相嶋『風華ちゃん、友喜くん、おはよ^_^』

風華『えっ!?珱ちゃん!!?』

「珱、お前どうしたんだよ。イメチェンか?」

相嶋『うん…。に、似合うかな…?』

似合うかな?じゃねぇよ!!ほかの男子を敵にまわしてるくらい美少年になってるよ!
ここに強敵が…ほら…風華の目がキラキラしてる。
輝たちと合流して、風華は光希と輝に話を始めて珱は風華たちと話していたが、俺の方を見てこっちに来た。

「珱どうした?」

相嶋『友喜くんってさ〜まだ、風華ちゃんに言ってないの?』

「!!?な、な何を!?」

相嶋『え〜?わからないの〜?だって〜好きでしょ?ずっと前から(^^)』

「はっ!?お、おお前、な、な何言ってる」

相嶋『動揺し過ぎだよ!気づいてたよ^_^僕に敵対心持ってたことも^_^』

珱に風華好きな事を知られてたなんて…。珱は俺を応援するよって言って風華たちの所に戻った。
俺は珱に、余計なこと言うなよと言ってそっぽを向いた。
中間テストの結果が出て、風華もクリアして全員が遠足に行けることになった。風華はすごく喜んで俺の方にきた。

風華『友喜〜(^^)やったよ!平均点以上取れた!』

「よかったな!」

風華『友喜のおかげだよ!ありがとう(*^▽^*)』

「っ!!(〃-〃)」

あーダメだ!!こいつのこの笑顔を、見るたび心臓が高鳴る。いつになったら俺の気持ちに気付くんだこいつは!!風華が俺以外の男を好きになったら、俺はどうなってしまうんだろう…俺は不安になった。
遠足当日、俺は風華が出てくるのを待っていた。玄関から出てきたので見ると、光希ちゃんが出てきた。
光希『友喜くん、おはよう( ^ω^ )』

「光希ちゃんおはよう。風華は?」

光希『風華、何隠れてるの?ほ〜ら!』

風華『み、光希。ちょ、ちょっと…!』

髪型はいつもはショートボブでストレートだがウェーブがかかっていて、服装は少しカジュアルな黄緑のワンピースでお花の柄に薄茶のバックに薄茶のショートブーツ。普段はスニーカーにショートパンツにTシャツ…いつもの風華とはかけ離れた服装。

「なっ、何だその服装…。」

風華『な、何よ!言いたいことあるなら言いなさいよ!』

「か、かわ、可哀想…。」

風華『は?』

「お前が不細工なせいで、服が映えない(*´Д`*)」

風華『ゆ、友喜〜。あんたって本当にムカつくー!!』

光希『友喜くん、それ私の腕が悪いって言いたいの?』

「み、光希ちゃん…?い、いや、そういう訳ではないけど、だ、だからその…モデルが悪かったってだけで…。」

光希『ふーん(*´-`)』

「か、可愛いよ。や、やっぱり光希ちゃんの腕に敵うものはいないね。ふ、風華でも可愛くしちゃうんだから(*´Д`*)」

光希『…ぷっ!あははは( ^ω^ )冗談だよ^_^』

くっそ…光希ちゃん仕組んだな…。光希ちゃんは俺の顔を見てニヤニヤしていた。
そして、光希ちゃんに事情を聞いた珱と輝が俺をからかってきて学校に着いた時の俺は疲れ切っていた。
「お、お前ら覚えとけよ…。」

珱・輝・光希『うん。すぐ忘れるww』

「ちっ…。」

バシッ

風華『いたっ!友喜、何すんのよ!!八つ当たりしないでよ!!』

「うるせえ!ちび!!」

俺は風華の頭を軽く叩き、クラスの男子のところへ逃げた。校長の挨拶が終わり、俺たちはバスに乗り込んでクラスの人とトランプやレクレーションをして盛り上がった。俺は、今日の遠足を楽しみにしていた。今日行く場所は俺にとってすっごく大切な場所…俺が風華と仲良くなった場所で好きになった場所だからだ。風華は気づいてないけど。

バスガイド『皆さん、サービスエリアに到着しました。ここをでますと2時間ほどかかるので、お手洗いの方をお済ませ下さい。』

バスガイドのアナウンスでみんなバスから降りてトイレに向かった。俺は風華のクラスのバスをみながら歩いてると、風華が寝てるのを見つけ、起こしにバスに乗り込んだが、隣には珱がいて風華は珱に寄りかかって寝ていた。俺は起こさずに自分のバスに戻った。

女子a『田中くん♡写真一緒に撮ろう?』

女子集団『あ!ずるい!!私も撮りたい!』

「……。」

男子a『おい、田中ばっかりずりぃーぞ!!』

男子集団『そうだそうだ!!』

男子a『なんか言えよ〜^_^』

「ちっ…。うるせぇな…何だよ? あ〝?」

俺の返答にクラスの人は凍りつき、俺は目的地着くまで一言も喋らずただ外を見ていた。
目的地に着き、俺たちは地引網体験をするため縄に向かう途中、輝と光希ちゃんが俺のところに来た。

輝『友喜、何ピリピリしてんだ?』

「何でもねえよ」

光希『俺に話しかけんじゃねぇ!オーラ出まくってるけど?』

3人で話していると風華と珱がきた。イライラしている俺は風華たちを無視し、縄を引いていると風華が肩を叩いてきた。

風華『友喜?どうしたの?』

「何が?」

風華『イライラしてるから何かあったかなって』

「何もねぇよ」

風華『じゃあ、不機嫌な顔しないでよ!高校生最初の遠足だから友喜とここにくるの楽しみにしてたのに(´-`)』

「え?お前もしかして覚えて…」

風華『え?何が?』

風華が俺とここにくるの楽しみと言われて、ここでの思い出を覚えているのだと思ったが、そうではないらしくただただ楽しみにしていた顔をしていた。
俺は風華と珱がバスの中で仲よさそうに寝ていたのが、許せなかったが風華の言葉一言で許してしまった。ほんと俺って単純だわ…。
地引網が引き終わり、風華がキラキラした目で魚をみせてきた笑顔がすっごく可愛くて、ごまかしでからかったら結局いつものようにケンカになった。

水族館に到着して、班ごとに館内を見学をしながら昔のことを思い出していた。マンボーの巨大模型のエリアにきて模型を見て俺は爆笑した。

班男『おわっ!田中、いきなりどうした!?いきなり爆笑して、そんなにマンボーの模型に面白さを感じたのか?』

「あ、わりぃ…ぶっ!!…ダメだ…笑いが止まらん(≧∇≦)」

班女『田中くんが…あんなに楽しそうに笑うなんて…。』

班女2『カッコイイね///。同じ班でラッキー!』

班女『くじ運に感謝だよ!アミダ最高!』

俺が笑っていると、珱の姿が見えキョロキョロしていて様子が気になって、声をかけた。

「珱、なにキョロキョロしてるんだ?」

珱『友くん!大変だよ!!風ちゃんがいないんだ!!』

「え?!」