「LJKなんて世の中は言うけどそんな華じゃないよね。実際には」
受験勉強はますます忙しくなり、華なんてあったもんじゃない。
今、講習の隙間のお昼休憩だけがやっと一息つける時間だ。
「いきなりどうしたの。さあ、華なんじゃない。…男の俺は分からないけど」
「だろーね。細野がわかるとは思えない」
ちょっと意地悪しても、細野は笑ってくれる。
「酷いなあ」
そう言いながら、許してくれる。
「あれ、なんだっけ。チョコの話だっけ?」
「うん、そう。なんかあったの?」
「お母さんの友達がチョコレート職人なんだけど」
「なにそれ、すご!」
あ、可愛い。
なんでこんなに目をキラキラさせられるんだろう。
男なのに私よりも可愛くて羨ましい。