「あら、やだ。ライバル応援してる場合じゃないのよね。橘ちゃんって可愛いし油断大敵だ」

「……プッ、」

「あら、なぁに?そこ笑うトコロ?」

思わず吹き出してしまった私に、菅谷さんはキョトンとする。

「いえ、すみません……だって菅谷さん可愛いんですもん。年上の人に失礼ですけど。」

「フム、許そう。可愛いと言われて、怒るわけにもいかないわね」

私の背中をポンポン叩きながら、菅谷さんはすっかり上機嫌で。

席に戻るなり、中ジョッキを持ち上げ一気飲み。

挙げ句ワインや酎ハイを追加注文しはじめた。






「……飲みすぎだ、バカ」

あれからハイペースで飲み続けていた菅谷さんは、ものの1時間でダウンしてしまった。

テーブルに突っ伏した彼女に御園生さんがあきれた様子で呟く。

「だ、大丈夫なんでしょうか」

早く止めればよかった。

顔色変えず飲んでいくから、てっきりお酒強いんだと思ってたら急にパタンって寝ちゃうから。

「……そろそろ、お開きにするか」

言いながら菅谷さんの肩を揺さぶる御園生さん。

「ん~、もぉ飲めない……」

寝ぼけちゃってるし。

「いいよ、御園生」

不意に八木さんが立ち上がり、菅谷さんの隣に来た。