駅前に戻る道を手を繋いで歩いた。

来た時と同じ道を通っているのに、さっきとは違って幸せな気持ちが溢れてくる。

御園生さんは他愛のない話をしながら私を笑わせたり、かと思えば急に黙って私の顔を見詰めてきたりする。

そのたびに、笑ったり、赤くなったりする私を見て楽しんでいるみたいだった。

「なぁ、今日帰らなくっても平気?」

タクシー乗り場が目の前に見えてきた時、不意に御園生さんが私の手を握りしめて真剣な表情で私を見た。

「え……」

ど、どういう意味?

「だめ?」

首をかしげて、上目使いなんかしないで欲しい。

さっきから、心臓バクバクし通しなんだから!

「えっと、それって……あの」

これからどこかへ行くということ……?

それって、この時間だと朝までコースとかいうことだったり?

いやいや。

だって、ようやく自分の気持ちに気づけて告白というものをしたばかりであって……。

でも、付き合ってる大人の恋人同士としては、そういうこともあり得るわけで……。

ええっと……。

だめだ!

頭、パンクする。

半泣きになりながら、御園生さんを見返す私の目の前で。

彼は、次の瞬間……。







思い切り吹き出した。