友人のコミュニケーション能力は学生として高く評価されるべきなんだろうけど、目の当たりにして辛く感じるときもあった。
 たとえば落ち込んでいるとき。
 どうしたらいいかな、って周囲に助けを求めることができたなら、どれだけいいだろう。
 私は躊躇ってしまう。

 青柳先輩から映画に誘われたあの日、私は課題の出来が思ったほどではなかったことに沈んでいた。
 友達は成績もよくて、つきあいの浅い人にさえ『夢はキャビンアテンダント』と宣言していた。
 私の夢も彼女と同じだった。
 あんなふうに先に堂々と言われたら、こっちは言うに言えなくなる。