「部長はすごいな。お料理もできちゃうんだもん…」




焦げたシチューを見てポツリと呟く、可愛い彼女。




「何年一人暮らししてると思ってんの?ひと通りの家事はソツなくこなせるようになっちゃったよ。」




そんな俺の言葉に、ますます肩を落とす紗英。




そんな紗英にボソッと呟く。





「お前がもっと早く俺を拾ってくれてれば、こんなに完璧にならなくても済んだんだけどな〜。」




「えっ、部長…」





紗英は本当、思ってることが顔に出るからわかりやすい。




真っ赤な顔して、目をパチパチさせながら俺を見る。





「二人っきりの時くらい、その“部長”ってのやめない?」




「えっ、でも…」




「俺は紗英って呼んでるのに。不公平だー!」





もっともっと赤くなる紗英を見たくて、こんなことを言ってしまう俺。