「もしもし どちら様でしょうか」



「難波です。難波、美都。覚えてますか?」



あの時とは違う、やけに快活な声に、すこし拍子抜けしてしまった。



「あ、あの、衣装の件なんですが、、わたしそんなことしたことないし、お断り、」


「いや、出来ます。藍沢さんに僕の衣装、作って欲しいんです。」



わたしの言葉を遮り、そう言う。


いやいや、出来ますって1度しか会ったことないあなたが言うの?


出かかったその言葉を必死に飲み込む。