先輩は私の、青空ヒーロー。









入道雲が青い空を覆い隠す。蝉の声が空を切り裂いていく。
しいんと静まりかえった試合会場。
セミの声が大きく反響して聞こえる中、このピリリとした緊張感。

リボンの件もあるし、肩の痛めていたことも気になる。
友達に付き合ってもらってやってきたけれど熱気に蹴落とされそうだ。


 こんな中、先輩は戦うんだ。


地区の決勝戦だというのに取材やテレビの数が多く、それだけ注目されているのだろうと緊張しつつも、もやもやと引っかかっていた。



だけど――。試合は、始まる前、高校の紹介をしている時に事件は起こった。相手側の高校の紹介の放送が流れる時だった。ざわざわとテレビの取材やフラッシュが多く焚かれ出す。まるで何か大きな記者会見のように。

「これ、どういうこと?」
取材陣が相手の高校の部長に一斉にフラッシュを焚いている。そして次の瞬間放送から流れる高校の紹介に耳を疑った。