コトッと、目の前のテーブルにフレンチトーストとココアが並ぶ。



母の作るフレンチ系の料理はとてつもなくオシャレに仕上がる。専門店で食べたって言っても分からないくらいインスタ映えで可愛い。




「「いただきます。」」




対面側に座った母と一緒に言った。



少しだけシナモンパウダーのかかったフレンチトーストをナイフとフォークで一口分に切り分け、口に運ぶ。



「おいしぃ〜!」



口の中にほんのり広がる甘みが下を包み込んだ。
相変わらず美味しい。



「でしょ?」



対面側の席に座る母は、暖かいコーヒーを飲みながら微笑んでいた。