ここで目を逸らすのも変な感じになるし、あたしは話しかけていた。

「伊藤君って何歳なの?」

「俺、24です」

「そっかー。あたしより3つ下なんだね」

「全然若く見えますよ。同い年ぐらいかと思ったし」

「それはないない」

あたしは苦笑いを浮かべた。
24の男子からしたら、27の女ってどんなふうにうつっているんだろうか。

「あの、仕事は何してるんですか?」

「仕事は…派遣社員かな」

「今はどこの会社にいるんですか?」

「今は...無職。派遣先探してもらってるところ。最近、契約満了したばっか」

「次はうちの会社が派遣先だったりするかもしれませんよ」

「その時はよろしくね」

意外や意外。
伊藤君はよく喋る子だった。