住職 「佛説 摩訶般若波羅蜜多心経・・・」

霊 「!? ググッ・・・」

霊が 急苦しみ出し 女将の首を絞めてた手が離れて 女将はゲホゲホと咳き込んでいたんだ。

住職 「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時・・・」

霊は 苦しみ出して 頭を抱えてうずくまった。

住職 「あなたは まだ この女将を恨んでるのですか?」

霊 「・・・ 私は 女将を愛していたんだ・・・」

住職 「女将に裏切られて そして自分で命を絶ったのですね?」

霊は コクンと頷くと 顔を上げた。

その顔には さっきまでの鬼の様な形相でなく 優しそうな表情になって泣いていた。

女将 「あの人に会いたい・・・顔を見たい・・・」

と 女将は泣きながら 住職にすがりついていた。

住職 「わかりました 少しだけ見えるようにしましょう」

すると 住職がブツブツと何かを唱えていた。

すると女将の視線が 霊を凝視していた。

女将 「あなた!」

霊 「俺が見えるのか・・・ すまなかった・・・」

女将 「やっと会えた・・・私もごめんなさい・・・」

そうお互いに謝罪をした時 住職が今度は 優しい口調で般若心経を唱え始めたんだ。

すると 元旦那の霊がゆっくり立ち上がり 女将に一声かけてすうっと消えていった。

住職 「ふぅ まだあの霊に女将を思う気持ちが残ってたから良かった・・・全て恨みに染まってたら 簡単には終わらなかったわね・・・」

K 「成仏出来たんですね」

女将 「ありがとうございました・・・これからは あの人を弔いなが生きてきます」

住職 「その方が 旦那さんも安らかに眠れるでしょう」

K 「そう言えば なんで住職さんがここに居るんですか?」

I 「そうそう!なんで先輩が?」

住職 「ああ それはね こっちにちょっと用事があってその帰りに この旅館の前を通ったら 霊の気を感じてね 寄ってみたら あなた達がいたのよ」

K 「そうなんですね 助かりました」

俺は お礼を言う 住職が それじゃあ帰るねと 旅館を出ていった。

これで この話は終わりです ありがとうございました