こんにちは Kです

この話は 不思議で悲しい話です。

またMのホラースポット巡りに付き合わされる事になりました。

この場所は有名な場所で 肝試し好きな人ならわかるホラースポットだ。

このホラースポットは 元ラブホテルを飲食店にしてしまった建物。

遺棄事件も起きて 怨念渦巻く所なんだ。

そんな場所に懲りずに Mは行こうと言いだした。

M 「Kさ 〇魚しってるか?」

K 「〇魚? 知ってるけど どうした?」

M 「肝試しにいかね? I先輩も誘ってさ」

何を馬鹿なことを言うのだろうか この野郎は アソコは危険だ。

K 「いやだ! この前ので懲りろよ」

俺は Mが取り憑かれ易いことに気づいており面倒だった。

でも Mは 一度や二度では懲りない性格で 欲望に忠実な奴なのはしってるが・・・。

M 「お前が行かないなら I先輩といってくる 何があっても知らんからな」

K 「わかったよ!行けばいいんだろ!」

この野獣とI先輩を一緒に行かせられん。

M 「そうこなくっちゃ! I先輩には Kから連絡してくれな」

K 「分かったよ」

俺は 携帯を取り出して I先輩に電話した。

トゥルルルル・・・トゥルルルル・・・

I 「もしもし K どうしたの?また ホラースポット行くの?」

K 「すみません Mの奴が 行きたがってて」

I 「あー Mかぁ・・・ 仕方ないわね んで どこに行くの?」

K 「〇魚です 大丈夫ですか?」

I 「〇魚かぁ・・・分かったよ 何時に何処に迎えに行けばいい?」

俺は 9時に自分の家に迎えに来て欲しいと お願いした。

先輩は 分かったと言い電話を切った。

K 「先輩 9時に迎えに来るって」

M 「了解 んじゃ 時間まで少し寝るわ」

と言い 床に寝転んで 目をつぶった。

俺も ベットに横になり目をつぶったんだ。

それから 数時間たって 携帯に着信がはいった。

ピリリリ!!ピリリリリ!!

K 「んぁ・・・I先輩だ もしもし」

寝ぼけ眼で 通話ボタンを押し出る。

I 「K?もう少しで着くよ」

K 「分かりました 直ぐに下におります」

携帯を切り Mを叩き起して 急いで 寝癖を直して 玄関の前に出た。

出たと同時に 車が俺ん家の前に止まった。

M 「I先輩 こんばんは!」

K 「すみません 車出させてしまって」

I 「大丈夫よ さっ 乗って?行くわよ?」

車のスライドドアを開けて 俺達は乗り込んで 出発したんだ。

暫く走り 目的地の〇魚に着き 車から降りて 〇魚の前に立つと 外見から嫌な感じだった。

I 「寒気が凄い・・・」

M 「そうっすか? 暑いっすよ 」

K 「そう言う寒さじゃない この中に何かいる感じがする・・・ やっぱり 辞めようM ここは 火葬場の比でない」

俺と先輩は この建物に入りたくないと 思っていた。

M 「二人とも早く入ろうぜ!ワクワクするな!」

K 「待てよ!M!先に行くなって! 先輩!行きましょ!」

I 「知らないからね!もう!」

Mはまた 1人でスタスタと入って行こうとするので引き止めるの諦めて 先輩とMの後を追った。

中に入ると Mが懐中電灯で周りを調べてた。

M 「こりゃすげぇや・・・至る所 ボロボロで落書きが凄いな」

K 「ホントに ラブホだったんだな・・・」

I 「嫌な感じ・・・怖い」

Mはずんずん進むが 俺とI先輩は 恐る恐る進んでいた。

1室また1室 ライトで照らしながら 見て回る。

どの部屋も ボロボロに朽ち果て 以前に来た奴らが 割ったであろう ガラスがそこらじゅうに落ちていた。

最後に 調理場の中に入ると この建物に入ってから 1番の違和感を感じていた。

I 「居るね・・・」

K 「しくしく泣いてるようですね・・・ そこの大型冷蔵庫の近くで」

M 「まじかっ・・・俺には見えん」

その霊は 女の子で 体育座りをしながらしくしく泣いていた。

多分遺棄事件の被害者なんだろうな。

成仏出来ずに ずっとこの暗い調理場に一人ぼっちで居るんだろう。

事件をしってるから 俺は この子を成仏させたくなり 再び I先輩の先輩である 住職に来てもらって 救って貰おうとおもってた。

それを思ってると その女の子の声がした。

女の子「お願い・・・助けて・・・もう一人ぼっちはいや・・・」

K 「そっか・・・ 君は成仏して暖かい天国に行かなくちゃ行けないんだ・・・仏様の元で健やかに暮らせる様に 何とかしてあげる」

と 心の中で言うと 伝わるのか さっきまでは 悲し泣きだったのが 嬉し泣きに変った様に思えた。

K 「I先輩 この前の 住職さん呼んでくれませんか?」

I 「うん 私にもこの子の声が聞こえてた ちょっと待ってて」

先輩は 携帯で住職に電話をかけて お願いしますと言い電話を切った。

I 「すぐ来てくれるって K その子に伝えて?」

K 「はい」

俺は 心の中で 君を救ってくれる人が来てくれるよ だからもう泣かないで?と思い願った。

すると その女の子は 泣くのを辞めて 少し笑顔になった。

俺の心に 女の子の声が聞こえてきた。

女の子 「ありがとう・・・」

それから 暫くして 住職さんが来てくれて 女の子の前に立った。

住職 「あなたは あの事件の被害者ね?」

女の子 「はい・・・」

住職 「それじゃぁ 始めるわね 仏説・・・般若波羅蜜多心経・・・」

住職は 心を込めて お経を唱え始めた。

女の子の体に暖かい光が包まれる。

女の子 「ああ・・・暖かい・・・」

住職 「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時・・・」

女の子を包む光が強くなっていく。

女の子 「ああ・・・仏様が来てくれた・・・」

I先輩と俺が空を見ると 空が眩く光り 菩薩様とお供の方達と雲に乗って降りてきた。

俺達も 心から 住職さんの後に続いて 般若心経を復読する。

何故か スラスラ言えていた 頭の中に 般若心経が流れ込んで来る。

女の子が手を合わせて 仏様の到着を待っていた。

ゆっくりと 仏様が女の子の前に進んで行く。

膝を付いて 手を合わせている女の子の足元に 雲が現れ フワッと浮いた。

住職 「仏説般若波羅蜜多心経 観自在菩薩行深般若波羅蜜多時・・・」

住職は ひたすらに般若心経をいい続ける。

天に昇っていく 仏様一行の後ろ 付いていくように 女の子は昇っていって 成仏して行った。

光はなくなり 調理場が静かになった。

気配もなくなり 住職は ふぅと息を吐き出した。

住職 「あなた達が感じた 違和感は あの子じゃないわよ? そこに居る怨霊のせいよ!」

住職が 指さす方を見ると 空中に浮いてる 男が居た。

その男から 憎しみと苦しみがを感じた。

住職さんが近くにいるからか その姿が見えた そう言えば 住職さんが来てから 女の子の姿も見えてた。

その男は 俺達をギロっと睨みつけてきて 殺してやる・・・殺してやる・・・と呟きながら睨む。

K 「あの寒さと違和感は こいつか・・・」

I 「吐きそう・・・強い怨念を感じる・・・」

住職 「これが居るから あの子はここに縛り付けられてたのよ だから 強制的に仏様を呼んで 成仏してもらったのよ」

その男は 住職さんを標的にしたようだ。

住職 「あなたは 天国にはいかせない 閻魔様に裁きを受けなさい!」

住職さんは 再び手を合わせて 般若心経を唱え始めた。

住職 「仏説般若波羅蜜多心経 観自在菩薩行深般若波羅蜜多時・・・」

今度は 男の真下に真っ黒な渦が現れて その中からデカくて赤いて筋肉質なごつい手が出てきて 男の怨霊を鷲掴みにした。

男は じたばた暴れるが 掴んだままだ。

住職 「地獄に落ちなさい!はっ!」

住職が念じると 赤い手が渦の中に沈んでいく。

そして 手と男が全て渦に飲み込まれた。

住職 「 これで ここは浄化されました それじゃあ 私は帰るわよ?」

I・K・M 「ありがとうございました!」

そうして 皆で 〇魚から出て 家路についた。

終わります。