こんばんは!Kです!

今回は 田んぼでおきた体験です。

今更だけど 俺が怪談を書きピットさんに送る決め手となった話です。

たしか 稲を植える時期だったかな。

それは 遊び過ぎて帰りが遅くなったIとのデートの帰り道の事。

帰りの道中 普通の音楽も聞き飽きて 俺はスマホを取り出して ナビとスマホをBluetoothで繋げて ピットさんの怪談朗読を聞いていたんだ。

K「この話なかなか 怖いなぁ〜 流石○○○シリーズ」

I「そうだねぇ 皆 霊体験してるんだね」

K「俺達にも色々あるんだけどね」

俺がそう言うと Iがこう言ったんだ。

I「だったら 私達の体験を書いて ピットさん送ったら?」

K「うーん 俺 文才も無いしなぁ 少し考えるよ」

そんな話をしていると 田んぼに挟まれた道路が見えてきた。

この道路は 生活道路でちゃんとアスファルトで道が作られてるんだ。

数年前までは 舗装もされてないガタガタ道で 走りにくかった。


街灯もまばらで ほとんど漆黒の闇だ。

そんな暗闇の中 俺の運転するワゴンRは軽快に走っていくんだ。

ボォォォォォォ

ヘットライトで前面の左右の田んぼを照らすんだ 照らしてる前面は明るいんだけど そうすると周りが漆黒の闇になる。

少しさきの田んぼを照らすヘットライトの先 俺は何かを見つけた。

K「なぁ I あれ・・・もしや」

I「お婆さんだねぇ 多分 Kが思ってることで正解かな」

俺は 車の時計を見ると夜の23時を回ってた。

老人がこんな時間に 出歩いてるのはおかしい。

K「23時だぞ?おかしいだろ?やっぱりあれだなぁ」

I「K お婆さんの横で車停めて?」

K「ああ 分かったよ」

老婆の横に車を停めて Iが座ってる老婆に話しかけた。

I 「お婆さん ここで何してるの?」

老婆「帰り道が分からなくなってねぇ・・・」

この老婆は 出かけたは良いが帰り道が分からなくなったらしい。

Iは俺に老婆を乗せて欲しいと頼んできた。

K「構わないよ」

俺がそう言うと Iは外に出て老婆の所に向かって 老婆が乗るためにドアを開けたんだ。

老婆が乗り込む時 チリンチリンと赤い巾着袋に着いてる 鈴がなってたんだ。

ルームミラーで 老婆を確認すると ニコニコと笑顔の老婆だったんだ。

それを確認すると走り出したんだ。

K「お婆さん 家は何処?」

老婆「ここから少し離れてるんですよ」

老婆は ○○市の△△町と言ったんだ。

その○○市は ここから20分くらいか 老婆に詳しい住所を聞き ナビに打ち込んだ。

K「ここらから 20分くらいなんで」

老婆「ごめんなさいねぇ 面倒かけて・・・」

老婆が謝ってきたから 俺は気にしないでと笑顔で言ったんだ。

I「お婆ちゃん 家族はどうしてるの?」

老婆「お爺さんは 早くになくなってねぇ 今は私の家に息子夫婦が一緒に住んでくれてるのよ」

I「そうなんだぁ」

この言葉に俺は違和感を感じたんだ。

何故 息子夫婦が居るのに 老婆はここに居る? 夜遅くに出かけるなら 止めるだろうに。

やっぱりこの老婆は生きてる人間では無いと確信したんだ。

俺は 老婆にきかれたらマズいと スマホを取り出して Iにメールしたんだ。

内容は この老婆なにか おかしくないか?と入れて送信。

Iのスマホがブルブル震え Iはメールを見て 返信してきた。

内容は このお婆さん 生きてる人じゃないと返信してきた。

スマホをしまい 俺はやっぱりかと心の中で呟いた。

そんな事は 老婆の前では一言も言わずに 俺は黙って運転してたんだ。

それにしても 例え この老婆が幽霊だとしても なぜ 離れた場所に居たのかが不思議でならないんだ。

あそこら辺に 墓は無いはずだし。

その間 老婆は 後部座席で静かに座ってるんだ。

そして 老婆が伝えてきた 住所付近にたどり着いたんだ。

住宅地に入り何ヶ所か交差点を曲がり 老婆があの家だと指を指した。

俺は家の前に 車を止めると 俺とIは後部座席の方に振り返るとそこには 居たはずの老婆が居なかったんだ。

K「ああ・・・やっぱり」

I「だと思った ん? K 後部座席に何かあるよ?」

俺達が後部座席を見ると老婆が座ってた場所に 赤い巾着袋が置いてあった。

それは 車に乗る前に 老婆が持ってた巾着袋だったんだ。

K「あのお婆さんは やっぱり生きてる人間ではなかったね」

I「帰りたかったのかな? 自分の家に」

K「だろうなぁ 多分あの道路で何かあったんだろうね」

そう話してると 老婆の家の玄関のドアが開いた。

俺達はそちらを見ると 歳は多分40代くらいの女性が顔を出したんだ。

女性「あのう・・・何か御用ですか?」

K「あっ!夜分にすみません ちょっとお話がありまして」

女性「話・・・?こんなに遅くにですか?」

その女性は 少し暗い感じの人だった。

I「私達は 怪しいものじゃないんです 私達の家の近くで お婆さんを乗せて来たんですが」

K「お婆さんは ここが家だと言ってましたんで それで着いたら居なくなってたんですよ」

それを聞いて その女性は 信じてないのか 怪訝な表情だった。

女性「家にはお婆さんなんていません・・・お間違えでは?」

そんな女性に俺は お婆さんが持ってた 鈴の着いた赤い巾着袋をその女性に見せると 態度が一変したんだ。

女性「そ それは・・・祖母が大事にしてた 巾着袋 私が作って祖母に上げたんです・・・何故貴方達が?」

K「信じてくれましたか? これはお返しします」

俺は 女性に巾着袋を渡すと 女性は大事に持ってたんだ。

女性「ここではなんですから 家に入ってください」

俺とIは 女性にリビングに通された。

K「お邪魔します」

I「お邪魔します」

女性の後に着いて リビングに入ると 真面目そうな男性が座ってたんだ。

男性「貴方方は?」

女性「あなた この方達が これを」

女性は 男性にその赤い巾着袋を見せると ビックリしてたんだ。

男性「これを何処で?」

K「それは いまから説明します」

女性「そのソファーに座ってください」

俺達は 女性に促され 男性と対面のソファーに座ったんだ。

男性「それで どうしてその巾着袋を?」

K「はい 俺達の家は ここから 20分くらい離れた ○○町なんですが」

男性「分かります」

K「それなら話は早いです 国道からそれて 一直線に伸びる舗装された田んぼ道分かりますか?」

男性「えっ? あそこで載せたんですか? それは本当ですか?」

それを聞いた途端 さっきまでは冷静だったのに テーブルにミを乗り出さんばかりな勢いだ。

I「何か心当たりありますね?」

Iがそう聞くと 女性の方が口を開いたんだ。

女性「それが本当なら 祖母はそこで事故にあって 亡くなりました・・・」

男性「後から聞いたんですがお母さんが貴方達の町に用事があってあの田んぼ道で 轢き逃げにあったらしいんです 」

K「そうだったんですね・・・」

男性「お母さん 家に帰りたかったんですね・・・」

I「私もそう思います 帰り道が分からなくなったって 言ってましたから・・・」

それを聞くと 夫婦は巾着袋を持ち泣き出したんだ。

俺達は黙って それを見てたんだ。

暫くして 泣き止んだらしく 夫婦揃って頭を下げてきた。

男性「いや お恥ずかしい所を見せてしまいました」

女性「良かったら 祖母に手を合わせて頂けませんか?」

K「分かりました」

俺達は 仏壇のある 一室に向かい ふすまを開けると 畳敷きの床に 壁には仏壇がはめ込まれる形で 設置してあったんだ。

俺とIは 墓前の前に座り 遺影をみると 2人の遺影があった。

祖父と祖母のだろう 遺影はニコニコと微笑んでいるように見えた。

やっぱりこの老婆だ 間違いない。

線香に火をつけて 線香ばちって言うのかな? 線香を立てるために使う器に刺して手を合わせた。

そして 俺達は 夫婦にお礼を言われ自分達の家へと帰ったんだ。

車の中で 俺はIに 怪談話を書く事を決意したって伝えたんだ。

以上です!!